ロングランは決勝を見据えて長く走ること
ロングラン(long run)は、その言葉どおり、決勝レースを見据えて長く走ること。また、フリー走行などで長い周回数を走り、タイムの推移を確認すること。もしくは、長い周回数を走った際のペースのことを言う。
用例
- レッドブルは、金曜日のフリー走行でロングランを念入りにテストした
- フェラーリは、ロングラン(・ペース)が速い
- ウルトラソフト・タイヤはロングランに向かない
ロングランの速さを決める要素
F1を始めとする一般的なモータースポーツ・カテゴリーでは、予選では1周のタイムアタック、決勝では長い周回数をいかに速く走れるかを競う。タイムアタックでは、純粋に「一発の速さ」が求められるが、決勝では長い周回数を速く走るため、その間刻々と変化する要素を考慮しなければならない。
予選と決勝で異なる要素として主なものは以下の通り。
燃料の搭載量
予選ではタイムアタックするための最低限の燃料しか搭載しないことに対し、決勝レースではスタートからフィニッシュまでを走りきれる燃料を搭載することになる。(2018年現在のF1ではレース中の給油が許可されていないため)
そのため、決勝スタート時のクルマの重量は、予選時と比べて数十キロ重くなる。クルマが重くなると、挙動が機敏ではなくなるが、周回を重ねて燃料を消費することでクルマは軽くなっていき、レースが進むに連れて、クルマの挙動はより機敏になっていく。
燃料搭載量がラップタイムに与える影響のことをフューエル・エフェクトと呼ぶ。
タイヤの性能劣化
予選ではほぼ例外なく新品のタイヤを使い、タイヤの性能がもっとも高い状態でタイムアタックが行えることに対し、決勝レースでは同じタイヤで、長い距離を走ることになる。その間タイヤのグリップ低下(デグラデーション)が起き、クルマの動きは鈍くなる。
上記の通り、燃料搭載量が減ることでクルマが速くなる方向の変化と、タイヤの状態が悪化する中でクルマが遅くなる方向の変化が掛け合わさり、ロングランの速さは決まる。