自由に走行できるセッション(時間帯)
フリー走行とは、自由に走行できるセッション(時間帯)のこと。英語では「Free Practice」と呼ばれるが、これをカタカナにした「フリープラクティス」、もしくは「プラクティス」、または略して「FP」と表記されることもある。
ここでの順位や計測タイムは、レースの結果や選手権には一切影響しない。F1の競技規則では、フリー走行での出走は強制ではないが、3回のフリー走行のうち、少なくとも1回は走行することがレース出走の条件と記述されている。
現代のF1では、概ね以下のようなスケジュールで行われる。
- 金曜日
- 午前:フリー走行1回目(FP1)
- 午後:フリー走行2回目(FP2)
- 土曜日
- 午前:フリー走行3回目(FP3)
- 午後:予選
- 日曜
- 午後:決勝
ただし、例外としてモナコGPは、金曜日にセッションを行わないことになっており、1回目と2回目は木曜日に行われる。
また、夜間のレースが行われるシンガポールGPや、アブダビGPなどでは以下のようなスケジュールとなる。
- 金曜日
- 夕方:フリー走行1回目(FP1)
- 夜間:フリー走行2回目(FP2)
- 土曜日
- 夕方:フリー走行3回目(FP3)
- 夜間:予選
- 日曜
- 夜間:決勝
フリー走行を定めた規則
F1競技規則では、1回目と2回目は必ず1時間30分、3回目は1時間とセッションの長さが決められており、1回目と2回目の間は必ず2時間30分以上空けること、3回目と予選の間は2時間以上空けることが定められている。
近年はシーズン中に車両開発を目的としたテスト走行の回数が限られ、新しく投入したパーツなどを実際のクルマに装着して走らせる機会が少ないため、フリー走行では新開発パーツや、フロービズを使った性能確認が積極的に行われるようになった。
また1回目と2回目に限り、レースドライバーに代わり、異なるドライバーを起用して走らせることができるため、若手ドライバーが登場することも少なくない。
過去に予選が金曜と土曜の2回行われていた時代は、金曜午前と土曜午前の2回であったが、決勝レース開催日の午前中に「ウォームアップ」という名前で、フリー走行と同じようなセッションが30分設けられていた。しかし、パルクフェルメ・ルールの強化により予選後のクルマのセットアップ変更が行えなくなったため意味をなさなくなり、2003年から行われなくなった。