予選は決勝でのスターティンググリッドを決めるためのセッション
予選は、モータースポーツでは多くの場合以下の目的で行われる。
- 決勝レースの出走資格を与えるか否かを判断するため
- 決勝レースのスタート位置(スターティンググリッド)を決めるため
2018年現在、F1においては決勝レースにエントリーした全てのクルマが参戦できる(ただし、107%ルールは適用される)ため、出走資格を与えるかどうか、という目的はなく、スターティンググリッド(スタート時の位置)の並び順を決めるためのものになっている。
予選の重要性
現代のF1カーは、速さを空力に依存している部分が多く、前を走るクルマの背後に迫ると乱気流(タービュランス)によってダウンフォースを失い、クルマが安定性を欠いてしまうことで追い抜きが難しいといわれる。そのためレースでの順位アップが難しく、グリッド位置、つまり予選での順位の重要性が非常に高いと言われる。
また、コース幅が狭いモナコや、抜きどころのないコースにおいても予選は大事なセッションと言える。
F1の予選の進行
2018年現在のF1の予選は土曜日の午後(夜間レースの場合は、土曜の夜)に開催される。
3ラウンドに分けられており、Q1、Q2、Q3の順番で実施される。
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Q1:20人→15人に絞り込まれる(時間は18分間)
最初のQ1は全ドライバーが参加でき、18分間に渡って各ドライバーが自由にタイムアタック(1周のラップタイムを競う)を行う。
その中の上位15人が次のラウンドQ2に進出できる。下位5人はQ2には進出できずQ1で敗退となり、速い順に16〜20番グリッドで決勝レースをスタートすることになる。 -
Q2:15人→10人に絞り込まれる(時間は15分間)
Q1の後、短い休憩を挟んで開始されるQ2は、15分間、Q1を通過した15人のドライバーが自由にタイムアタックを行う。
その中の上位10人が予選の最終ラウンドQ3に進出できる。下位5人はQ2で敗退となり、速い順に11〜15番グリッドで決勝レースをスタートすることになる。
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Q3:10人でトップ10のグリッド順を競う(時間は12分間)
Q2の後、休憩を挟んで開始されるQ3は、12分間、Q2を通過した10人のドライバーが自由にタイムアタックを行う。
その10人を速い順に並べた1〜10番グリッドで決勝レースをスタートすることになる。1位のドライバーがポールポジションとなる。
タイヤの制限
予選でQ3まで進んだドライバーは、雨天時などを除き、Q2でベストタイムを記録したタイヤを決勝レースのスタート時に使用しなければならない。一方Q1とQ2で敗退したドライバーはどのタイヤを使用するかは自由。これはQ3進出ドライバーに対する一種のハンデであり、ドライバーからは「Q3で下位に沈むくらいなら、Q2で11位を獲得する方が有利」と言われることもある。