デグラデーションはタイヤの性能低下
モータースポーツでは多くの場合、距離を走ったタイヤの性能=グリップが徐々に低下していくことを言う。
「低下」を意味する英語(degradation)から。略して「デグ」とも言う。
デグラデーションの程度は、ピットストップ・ウィンドウなどレース戦略を決める上では非常に重要で、フリー走行などでレースを想定したロングランを行い実測する。
デグラデーションとフューエル・エフェクト
デグラデーションが起きている時、ラップタイムは必ず悪くなるとは限らない。なぜなら距離を走った分だけ搭載燃料が減り車体が軽くなり、ラップタイムが向上することもあるからである。
燃料搭載量がラップタイムに与える影響のことを「フューエル・エフェクト」と呼ぶが、デグラデーションとフューエル・エフェクトは全く別の指標で、デグラデーションは単純にタイヤの性能低下のことのみを指す。
何がデグラデーションを決めるのか
デグラデーションの程度は、主にタイヤのゴム質=コンパウンドで大きく変化するが、以下の要素でも変動する。
- ドライバーの運転スタイル
- コースレイアウト
- 路面温度、ラバーの乗り具合、舗装の摩擦係数
- クルマの特性、燃料搭載量、セッティング
など…
ちなみに、フラットスポットやブリスターなど、タイヤのトラブルによる性能低下はデグラデーションとは言わない。