コンパウンドは「合成ゴム」のこと
通常モータースポーツでは、タイヤに使われる合成ゴムのこと、またはそのゴムの質のことを言う。もともとの意味は「混ぜ合わせること」「混ぜたもの」という意味の英語「compound」から。
モータースポーツで、全般に用いられる柔らかいコンパウンドのタイヤは、グリップが高く速いラップタイムを走ることができるが耐久性が低く、長い周回を走ることには向かず、反対に硬いコンパウンドのタイヤはグリップは低くラップタイムには劣るが、耐久性が高く長い周回を走行できることが特徴とされる。
モータースポーツの多くのレースカテゴリでは、複数のタイヤ・コンパウンドが用意され、戦略や用途に応じてドライバーやチームが選択できるようになっている。
F1で使えるコンパウンド
2019年は5種類のコンパウンドが使用可能
2018年に7種類存在したコンパウンドは、2019年から以下の5種類に絞られた。
- C1:もっとも硬いもので、2018年でのハードに近いもの。
- C2:2番目に硬いもので、2018年のミディアムと同等。
- C3:全5種類で中間の耐久性とグリップを持つ。2018年のソフトと同等
- C4:2番目に柔らかくグリップが高い。2018年のウルトラソフトに近いもの。
- C5:もっともグリップが高い。2018年のハイパーソフトに近い。
2019年では、上記5種類から各グランプリで使用可能な3種類が事前にノミネートされ、各ドライバーはそこから持ち込める13セットの内訳を決定する。
各グランプリで使用できる最も硬いコンパウンドのタイヤを「ハード」、中間を「ミディアム」、最も柔らかいものを「ソフト」と呼び、タイヤのサイドウォールに描かれるピレリのロゴは、それぞれ白、黄、赤に塗り分けられる(上記画像参照)。
過去のシーズンで利用できたコンパウンド
2018年シーズンでは晴れ用タイヤのコンパウンドは全部で7種類存在した。
硬いものから順に…
- スーパーハード(オレンジ)
- ハード(青)
- ミディアム(白)
- ソフト(黃)
- スーパーソフト(赤)
- ウルトラソフト(紫)
- ハイパーソフト(ピンク)
コンパウンドの呼び方
テレビ解説などでは「ソフトタイヤ」や「ミディアムタイヤ」などと同じ意味で「ソフト・コンパウンド」や「ミディアム・コンパウンド」と言われることもある。
また、チームの無線などでは、コンパウンドの名称を呼ばずに、その3種のうち、最も柔らかいコンパウンドを「オプション・タイヤ」、次に柔らかいものを「プライム・タイヤ」、最も硬いものを「バックアップ」と呼ぶことが多い。
F1では混在させての使用は禁止
F1では複数のコンパウンドを同時に使用すること(例:前輪にスーパーソフト、後輪にソフトを使用する等)は禁止されている。