DRSは追い抜きを助けるための仕組み
DRSは、「Drag Reduction System」の略で、「空気抵抗低減システム」を意味する。リアウィングのフラップ(羽)の角度を変えることで空気抵抗を低減する仕組み。空気抵抗が減ると、使っていないときに比べてクルマの最高速度が上昇するようになり、前を走るクルマを追い抜きやすくなる。ただし、DRSを使うための条件は厳しく管理されている。
DRSはDRSが利用できる条件下にある場合、ドライバーがステアリング上のボタンを押すことで作動し、リアウィングのフラップが開く。元に戻すために、特段操作は必要なく、DRS作動中最初にブレーキを踏んだときに、リアウィングのフラップが閉じる。
DRSを使用するための条件
DRSを使用するための条件は、セッションによって異なる。
フリー走行・予選の場合
フリー走行と予選の間は、各コースに1〜3箇所定められた「DRSゾーン」を走っていることが条件となる。
ただし、天候や路面の状態が良くない場合や、そのDRSゾーンでイエローフラッグ(黄旗)が掲示されている場合は、使用できない。
また、予選各ラウンド(Q1、Q2、Q3)のある時点で、DRSが使用不可となった場合、状況が改善したとしてもそのラウンドが終了するまでDRSは使用不可となる。
決勝レースの場合
決勝レースでのDRS使用条件は、以下の通りとなる。
- DRSゾーン内にいること
- DRS検知ポイントで前を走るクルマとの差が1秒以内であること
DRS検知ポイント(DRSアクティベーションポイントとも呼ばれる)は、DRSゾーンの手前に設置された計測ラインで、そこを通過する際のタイム差を計測し、前車との差が1秒以内であれば利用可能となる。利用可能になった場合、ダッシュボードにランプが点灯するようになっている。
またスタート後の最初の2周、およびセーフティカーからのリスタート直後の2周は使用不可となっている。
※使用可能になったタイミングでテレビ中継画面に「DRS Enabled」と表示される。