エイペックスとはコーナーを曲がるクルマがもっともインによる点
コーナーを曲がるとき、コーナーの中央部分で、コーナーのイン側に近づくポイントのこと。基本的にはコーナーの中央に位置する。頂点という意味の英語(apex)。
同じ意味で「クリッピング・ポイント」「クリップ」という言葉も使われる。
レーシングドライバーは、通常コーナーを曲がるとき、できるだけ減速しないよう通過するために以下のようなラインを描く。
- コーナーの入口ではアウト側(外側)、つまり曲がる方向とは逆方向から進入
- コーナー中央部分で、イン側(内側)に寄る
- コーナーから出ていくときは再度アウト側に寄る
(※このようなライン取りを「アウト・イン・アウト」と呼ぶ)
このときの2で差し掛かるコーナーのイン側のある点のことをエイペックスという。
ドライバーやクルマの癖などによって、エイペックスの位置は前後することもあり得る。
エイペックスに近づくことを「エイペックスに付く」と言い、また理想的なコーナー走行ラインを描けていないドライバーの挙動を見て「エイペックスに付けていない」などと表現することもあり、クルマの仕上がりや、タイヤの状況などを観測する指標にすることもある。
通常1コーナーにエイペックスは一つだが、コーナーの形状によってはエイペックスが複数ある場合もある。そのようなコーナーをマルチ・エイペックスと呼ぶ。
図形としてのエイペックスと最もインに寄るポイントが一致しない場合も
コーナーを幾何的(図形的)に見た場合に頂点となる点と、実際にドライバーがコーナリングの際にもっともインによる点が一致しない場合もある。
頂点よりも先にインに付く場合を「アーリー・エイペックス(Early Apex)」、頂点よりも後でインに付く場合を「レイト・エイペックス(Late Apex)」と呼ぶが、日本語ではあまり一般的ではない。