フラットスポットはタイヤ表面にできた平らな部分
モータースポーツにおけるフラットスポットは、スピンやタイヤのロック(ロックアップ)によって、タイヤを路面に長い時間擦りつけてしまったことで、タイヤ表面にできる平ら(フラット)な部分のこと。
#KimiRaikkonen‘s flat spot on his front-right tyre during the second practice session #AustrianGP #F1 pic.twitter.com/1uS4CCXFt9
— SUTTON IMAGES (@suttonimages) 2015年6月19日
市販車では、長時間駐車したことによって、タイヤが地面に設置していた面にできる平らな跡のことを言う。
フラットスポットによる影響
一度フラットスポットができてしまったタイヤは、基本的には正常な状態には戻らないどころか、悪化することもある。
また、そのまま走行を続けると振動(バイブレーション)を起こしてしまい、最悪の場合はサスペンションなどを破壊してしまうことがある。
典型的な例は2005年のF1ヨーロッパGP。トップを走行するキミ・ライコネン(当時:マクラーレン・メルセデス)は、レース終盤ブレーキングでタイヤをロックさせ、右前輪にフラットスポットを作ってしまう。しかしリードを保ちたいライコネンは、タイヤを交換せずに走り切る選択を採る。車載カメラからも振動が大きくなっていくことが見てとれたが、ついにファイナルラップ、ライコネンのクルマのフロント・サスペンションが砕け散り、グラベルに捕まってしまいマシンを降りた。
参考動画: F1: Top 10 Dramatic Final Laps
(振動を起こす右前輪に注目)
https://youtu.be/VLDwqqbJZSs?t=73
編注)2005年のF1は予選と決勝を1セットのタイヤのみで走り切ることが規則で決められ、パンクやその他ダメージ以外のタイヤ交換は認められておらずタイヤ交換はペナルティの対象だったが、このレースのあとFIAはフラットスポットが発生したタイヤの交換にペナルティを科さないことを説明。